思い出はいつも、
第一印象
バチンッ!
「った!」
朝、普通に学校に来た。
いつものように
靴箱で友達に挨拶して
3回まで、長い階段を
登って
少し息が上がったまま
教室へ向かってた。
でも、
いつもと違うことが
起こった。
「な、なにすんの…」
「(笑)」
隣のクラスの
早瀬尚樹(ハヤセナオキ)が
初対面のあたし
田中沙希(タナカサキ)の頭を
平手で叩いた。
今まで名前と顔しか
知らなかったヤツに
いきなり頭を叩かれた。
怒りより
驚きのがデカいんだけど…
「田中さんだよね」
「うん」
「頭叩いて、ごめんね」
「ううん大丈夫だから、」
何、いい人気取ってんだ
あたし。
ここはキレるとこだろ
そんなことを
頭の中で考えながら
早瀬の顔を見た。
少しニヤけてる、口元。
あぁ、こいつ
あたしのことからかってんだな。
「てかさ…」
「尚樹ー!」
「あー?」
あたしが文句を言ってやろうと、
口を開いた瞬間
早瀬の友達に声を掻き消された。
最悪。