思い出はいつも、



「じゃ、まぢでごめんね〜」


「…」




顔の前で

謝るポーズをすると

早瀬は教室の中に入っていった。





「第一印象わるー」





そうつぶやいて

あたしも教室に入った。








それが

早瀬と初めて喋ったとき。

多分ってか

絶対、あいつは忘れてると思うけど。






そのとき

あたしとあいつは

高校1年生だった。






頭を叩かれた日来、別に

早瀬と関わりもなく


夏休みの補習などで

顔を見るくらいだった。






それから月日は経って

高校2年生の春。









「あ、田中さんだっけ」


「…ありえないんだけど」






クラス替えがあって

新しい教室に行くと

あの早瀬が目のまえに立っていた。





「一緒のクラスなっちまったか」


「やだ、違うクラス行ってよ」


「行けないから(笑)」


「あんたと一緒のクラスなんか絶対いや」


「うわひでーな、おい」





そう言って

頭を掻きながら笑う、早瀬


とりあえず

早瀬を無視して

出席番号順に並べられた

机に腰掛けた。






すると、



ガタ−





「なに隣に座ってんの」


「俺の席、ココですもん」


意地悪く笑いながら

隣に座る、早瀬。




もう、ムカツク。
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