空色くれよん
私は仕事を超特急で済ませると、
着替えて戸締まりをし、外に出た。

外はすっかり暗く、
空には満天の星が輝いていた。

待ちくたびれたのか、
空くんはお父さんの背中で
すやすや眠っている。

「ごめんなさい、遅くなりました。」

「いえ、大丈夫ですよ。
空は寝ちゃいましたけど。
仕方ない、お店はまた今度。
汚いですが、うちに来ますか?」

「あの…そこまでは。
すみません。」

「いいんですよ。
僕も遥香先生ともっと話したいし。
それに、おなかも空いたでしょう?」

(…うっ、それは確かに。)

と、そこでタイミングよく
私のお腹が鳴った。

(うわー…最悪だよー。)

恐る恐る空くんのお父さんの方を見ると、
プッと吹き出し、
そしてクスクスと笑っている。

恥ずかしい。
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