空色くれよん
駅前のビル。

私は玄関口に彼を見つけると、
駆け寄った。

「…お待たせ…しましたっ!」

「いいよ、そんなに待ってない。
ほら、女の子は準備に
時間がかかるものだから。」

翔さんはにっこり笑ってそう言うと、
「じゃあ、行こうか。」
と言って歩き出す。

私もその後をついていき、
一軒の定食屋さんに入った。

翔さんにしては珍しい。

勝手なイメージで申し訳ないが、
翔さんが行きそうな場所ではなかったからだ。
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