空色くれよん
しばらく寝ていて、
園長に起こされた
わたしの前に出てきたのは
温かい卵がゆ。

あとすりおろしりんご。

何となく、子供の頃を思い出した。

あの頃はまだ母親も生きていて
よく熱を出すと作ってくれたっけ。

「さぁ、どうぞ。
熱いから少し冷ましてね。」

「ありがとうございます。」

一口、冷ましてから
口に運ぶ。

「おいしいです。」

「そう、良かった。
空くんも帰ってきたから
あの子達のご飯も作っておくわね。
早く、良くなって
復帰できるように祈っておくわ。」

「はい、すみません、何から何まで…。」

「いいのよ。
それじゃあね。」

園長は部屋を出ていった。
< 84 / 95 >

この作品をシェア

pagetop