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「なぁ、吉村君。
あのライター、鑑識回してくれ」


「ライター?」

吉村は指された方を見た。

「何か、気になるんだ」

権藤和臣は言った。

吉村は不思議そうに首を傾げる。


「…あれえ?鑑識の奴ら見落としたのか…ったく」


それから、妙に納得した様子で権藤和臣を見た。


「やっぱり、権藤さんはよく現場を見てますよね。

定年なんて、本当に勿体ない。


俺、権藤さんと一緒に仕事が出来てよかったです」


そう言って、吉村は誇らしげに微笑んだ。



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