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白い百合が、大輪の花を咲かして、強い匂いを放つ。


風が吹いて、百合を包んだフィルムがかさかさと鳴る。


吉村は、置かれた花束の前に座り、目を閉じて手を合わせた。

吉村の同僚達も、みな黙祷を捧げる。


「権藤さん…」

名前を呼んでも、返事は返ってこない。


それでも。

閉じた瞼の裏に、薄くなった頭を撫でる権藤和臣の姿が鮮やかに蘇る。



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