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けれど。


…―重たい。


柴田篤はバスに乗り込むと、空いた場所を見付けてするりと潜り込む。

銀色のフレームのメガネを右手でちょっと押し上げると、バスが動きだす前に吊り革を握った。


左手には、カバン。


やがてバスが発車し、前後左右に揺さ振られる度に、カバンが振り子のように揺れる。



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