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「さよならって…おい」
手紙を読み終えた柴田篤は、あわてて携帯電話を取り出す。
リダイヤルで自宅の電話を呼び出してかけてみるが、呼び出し音しかならない。
「…啓子っ…」
…ぱさり。
その時、膝の上から封筒に入っていたもう一枚の紙が落ちる。
四つ折りになった薄い紙。
「あ…」
拾いあげる前に、気付く。
それは、啓子の文字で書かれた、
判の押された
離婚届け……。
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