CoNVENiENCE#STORE
「さあ、好きなものを持っていきなさい」
少女は言う。
「あ、ああ」
時任渉はまだ、混乱した頭で頷いた。
…よくわからない。
どうして一瞬で棚の商品が変わったのだろう。
これは夢か?
「どうしたの?気に入らない?」
「いや、そんなことはない…ただ少し…」
「少し、驚いている?」
語尾を濁した時任渉の言葉を、少女が繋げた。
「これは夢ではない。現実に、貴方に起こっていること」
少女は静かに言った。
「ここは『コンビニ』。
貴方が望みさえすれば何でも揃う店。
何なら、吸ってみる?」
少女は棚から、セブンスターのメンソールを取ると差し出した。