CoNVENiENCE#STORE
「ふー…」
時任渉は煙を大きく吸い込むと、安堵の溜息と共に煙を吐き出した。
肺一杯に吸い込まれたニコチンが、血液に乗ってすぐさま体中に運ばれていくだろう。
…うまい。
時任渉は、久しぶりに吸ったような感覚で煙草の味を噛締める。
隣では相変わらず、番人とかいう少女が無表情に見つめていたが、もう気にならなかった。
この一服で、妙に落ち着いた気がした。
時任渉はもう一度大きく息をして煙草を吸うと、なれた手つきで煙草を離した。
「確かに、本物の煙草だな。うまいよ」
そう言って、また一服する。
少女は相変わらず無表情だったが、もうどうでもいいこと。