CoNVENiENCE#STORE
「金は要らない」
少女はきっぱりと言い放つ。
「…は?」
時任渉はあっけに取られて、思わず煙草を落としそうになる。
「どういうことだ?さっき対価が要るって言っただろ?」
「言った。だが、対価とは金ではない」
少女は表情のないまま、時任渉と向き合う。
「金じゃない…?」
時任渉は焦る。
…煙草一箱に対して、この少女は一体何を要求するつもりだろう。
それは、自分が支払いきれるものなのか…?
乾いた背中に、再び冷たい汗が流れ始めた。