CoNVENiENCE#STORE
「構わない。
そのライターを貰う。さっき一服したから、火はもういらないだろ?」
少女は指差していた右手の指を解き、手のひらを返す。
「あ、ああ…別に構わないが」
時任渉は差し出された手のひらにライターを載せた。
…ビビって損した。
ライターくらい、どこでも買えるしな。
時任渉は、少女にばれないよう息をついた。
少女はライターをしっかりと握り締めると、口の端をあげて、初めてまともに表情を作った。
時任渉の背中に、思わず鳥肌が立つ。