CoNVENiENCE#STORE
『客は客だが…血のにおいは、人殺しとかそういう類のような…』
語尾を濁す声に、少女は少しだけ語調を強めて言った。
「たとえそれが人殺しであっても、貴方がベルを鳴らした。
ならばそれは客よ」
少女は少し首を傾ける。
『…だが…』
「心配ありがとう」
少女は、語調を緩めて言う。
「だけど、貴方は客を知らせるドアベル。
ここは『コンビニ』。
そして私は白い番人。
貴方が認めた客は、拒めない。
…客が待ってる。もう行くわ」
そうして、少女は真っ直ぐ前を向いて歩き出す。
今宵の客の、相手をしに…。