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「なああ」

黒く小さいものは、少し掠れた声で鳴いた。


「何を探しているの?」

少女は問いかける。

「なああ」

しかし、それは掠れた声で鳴くばかり。


「言葉が通じないのか」

少女は溜息混じりに言う。


そして、黒いそれに近寄ると、両手でやさしく抱き上げる。

「なああ」


少女が抱き上げたそれは、真っ黒で小さな子猫だった…。



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