不良な叔父と強気な姪
「ここかー」
多分風都の学校であろう学校を見上げる。
何度か迷ったがお昼までにはたどり着いた。
「あのー」
事務室に行き、声をかける。
「はい?」
「橋倉風都にお弁当届けに来たんですけど」
“橋倉風都”の言葉を言った瞬間に、受付の人の顔色が変わった。
「2年3組の教室にいますよ」
「ありがとうございます」
ペコッと頭を下げて教室を目指す。
「何かいろいろ疲れた」
学校に辿り着くのにも、教室に辿り着くのにも、迷った。
――にしてもこの学校広すぎ!!
そう思い、ドアに当たるように、力いっぱい開ける。
バンッと威勢よくドアが開き、クラスメイト全員がこちらに顔を向ける。
「どちらさまですか?」
先生の言葉を無視して、教室の後ろに溜まっている人だかりに向かう。