不良な叔父と強気な姪
「風都」
人だかりに向かって叫ぶ。
その瞬間教室内の皆がざわざわと騒ぎ出した。
「誰だよ」
そのざわつきの中から、明らかに“機嫌悪いです”って感じの声がした。
風都の周りに溜まっている人達をよけて、後ろに立つ。
すると、気配を感じたのか、後ろに振り返ろうとする風都。
「ふーう」
後ろに振り向き終わる前に、ガバッと抱き着いた。
「お弁当持ってきたよ」
抱き着いたまま、目の前にお弁当を掲げるあたしに、風都はにこっと笑う。
「サンキュー。弁当忘れてどうしようか迷ってたんだ」
嬉しそうにお弁当受け取る風都に、ぎゅーっと力を込めて抱き着く。
それに対して、何の反応も示さない風都を、皆が囃し立てる。
「お前ロリコンか?」
「は?」
「とうとう小学生にまで手をだしたか」
それを、風都に抱き着いたまま、クスクスと笑いながら眺める。