ティアモ-secondseason-

「次…」

城島先輩の目を見て、次の奴が列から飛び出す。

「僕、行きます!!」

コイツも見たことがある…。
確か…。あっ隣の席の奴だ。

「赤川中出身、1年7組の塚野粂介です」

塚野は、手を体側に伸ばし、ガチガチの状態で前に歩いていく

「おいおい…あいつ大丈夫かよ」

辻崎が思わず声を出した。
いくら何でも緊張しすぎだよな…。

スッ…
スッ…

塚野は、軽くラケットを振る。

「お願いします!!」

カコン。
カコン。
平凡なラリーが続く。

塚野と、言う名前は聞いたことがない。
多分、中学で卓球をしていなかったか…
あるいは、ただ知らなかっただけか…。

していなかったということは、あり得ない。


春休みだけでこんなに成長するはずが…ないはずだ。


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