人生の足跡
友人たちが一緒だと、やはりキモチもほぐれるのか、この間のような希薄な雰囲気はなく、積極的に話しかけてきてくれて、気を使ってくれて・・・いい人なんじゃん。断らなくって正解かも!なんて、彼に引かれ始めてしまった事に気付いた。その後、何度か4人でのグループデートを重ねた後、初めてのクリスマスを目前にしたある日、二人だけになった瞬間、耳元で彼がこう囁いた。「実はさ、24日の夜に、レストランを予約したんだけど・・・。一緒に行けないかな?いや、一緒に行って下さい!お願いします」
 一瞬、ハテナが飛び交ったけれど、クリスマスに思い当たり、嬉しくなった私は、OKと、人差し指と親指で丸を作って、彼の目を見つめながらニッコリと微笑んだ。

 楽しみがあると、日が経つのが遅く感じて、それでも明日がクリスマスイブ、と言う日には、隠しようもないほど浮かれている私が居た。イブに着て行く服を買うために、そして、彼へのプレゼントを買うために、短期で時給の良いアルバイトを始めた私は、バイト先でも「顔がにやけてるよ」と、冷やかされるほどワクワクしていた。
 
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