先輩とあたし
電話すればいいんじゃない?
あたしって天才じゃん!もっと早く気づけなかったんだろうか…
まあいいや。
こんな壁の中じゃカバンから携帯も取り出せないから、一旦この人込みの中から出ることにした。
ってさっきより人増えてるぅぅう!
来たときよりも抜け出すのは大変だったけど、とりあえず出たあたしは昨日かかってきた番号に電話をかけた。


プルルルル___プツっ

は?
なんか切れたんですけど?
若干怒りを覚えたけど、あきらめずもう1回かけてみた。


プルルルル___プツッ


さっきと同じタイミングで切れた電話。
なんなの、これ?
なんなの?
思わず2回もいいたくなるぐらいに意味がわかりません。
どうしたらいいの、これどうしたら先輩に会えんの?
先輩の教室にたどり着いてから、いや、教室の廊下の手前にたどり着いてからはや40分が経とうとしているけど、会える気配もなし。


てか40分も中で何してんの?
あたしの頭の中でよからぬ妄想が繰り広げられてる。
ってここは学校だし、教室ではさすがにあの先輩でもしないでしょ。


もう、いいや。
待ってても埒があかない。
ここに来てから何回思ったかわからないけど、
呼び出したのは゛あっち゛でしょ。
失礼だ、失礼にもほどがある。
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