先輩とあたし
いつもより少し早い学校は朝練の人ばかりだった。

教室には1番乗りで、誰も来ていない教室でもう一眠りすることにした。



―――――

教室の騒音で目が覚めたあたしは、教室がいつもよりガヤガヤしてることに気づいた。
しかも皆の視線の先はあたし?
他のクラスからも来てるし、あたし何しちゃったの?


「あーおーいー」
茉莉が叫びながらあたしめがけて全速力で走ってきた。

「なっなになに??どうしたわけ?なんでみんなあたしを見てんの?」

「アンタ、道田先輩と付き合ってんのー??」

皆がまさにそれが聞きたかったみたいな顔でいっせいにこっちを向いた。

「は?なんでそんなことになってんの?」

「だって、朝一緒に登校してたって噂が学校中に回ってるよ」

「はっ」
あの現場を見られたのか!!
うわぁ、最悪だ。
どうしよう、とりあえず今日は呼び出される気がする。


「ちょっと、平坂葵いる?」

ほら、来た。

「あたしですけど」


「今日の放課後、屋上に来て」


「はぁ」

あたしの予想は悪い意味であたってしまった。
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