先輩とあたし
「葵、あたしもついてこっか?」

茉莉が心配そうな顔で言ってくる。

「大丈夫、お姉ちゃんには言わないでね」

「うん、でもなかなか帰ってこなかったら言いにいくよ」

茉莉はあたしのお姉ちゃんのこと知ってる。
でも、あんまり周りにはいってない。言ったらめんどくさくなりそうだから。

「できるだけ、がんばるわ」

あたしは精一杯の笑顔で言った。
正直、予想していたことだとはいえ、正直怖い。
実際呼び出されるのは初めてだし、知識なんてドラマとかマンガとかの知識しかなくて、怖かったりするけど、でも茉莉とかに心配かけたくないし、多分茉莉が言わなくてもお姉ちゃんはこのことを知ってると思う。


でもお姉ちゃんなら「自分で何とかしな」って言ってくれると思うから、あたしがんばろうと思う。
小さく決意をしながら、あたしは授業の準備を始めた。

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