先輩とあたし
あっという間に放課後なんて来てしまって、あたしの決意は揺らいでた。でもここで負けることはあたしのプライドがどうしても許さなくて、結局あたしの足は屋上に向かっていた。
最後の最後まで茉莉に心配されたけど、強がって「大丈夫だよ」って何回も言った。


屋上のドアを開けると、そこには朝の先輩とその取り巻きっぽい人がいた。
1,2,3,4、…5人…?
呼び出されるってこんな感じなんだ。もっといるかと思ってたけど、いざとなったら逃げれるかな?なんてのんきなこと考えたらいきなり背中を壁にたたきつけられた。
「…っ」
言葉にならない声がでて、痛みが背中を伝った。


「アンタさいきなりしゃしゃりでてきてなんなの?」

「アンタみたいなブスが横から新クンをとるなんて誰も許さないからね」

しゃしゃりでてきたくて、しゃしゃりでてきたわけじゃないんですけど…


好き勝手に言われて、イライラも募ってきたけど、文句をいう隙もないくらい、罵声を浴びせる先輩方。
そんな時間10分
途中から同じ言葉ばっかりでてきて、飽きてきたとき、「なんとかいったらどうなんだよ」って思いっきりけられた。


あたしはその場に転んでしまい、彼女たちは大爆笑。
人の転ぶ姿がそんなにおもしろいか?
もう、キレちゃったよ。

「……………だよ」


「何、なんていってんのかわかんないし」


「ブ「お前ら何やってんの?」

あたしの決めゼリフを邪魔して、バタンとでかい音を出して開いた屋上のドア
当然みんなドアを向いて、開けた人物の顔を見た。
普通ここでやってくるのは道田先輩なんだろうけど、ドアを開けたのは翔太だった。


「翔太?なんで?」

あたしは多分助けに来てくれたであろう翔太の顔をポカーンと見つめた。
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