先輩とあたし
「翔太、なんであたしが屋上にいるってわかったの?」
あたしは階段を下りたとこで翔太に言った。
「あぁ、茉莉がな、お前が呼び出されてるから、助けて来いって頼んできてよ」
「アンタ、茉莉には弱いよね。まぁ、ホレてるんだからしょうがないかぁ」
翔太は茉莉にホレている。あたしはなぜかすぐにその気持ちに気づいてしまって、こうしてたまにおちょくる。
「お前、ホントに茉莉にいってないだろうな?」
「言ってないよー」
「ホントかよ?」
「そんなこと言うなら早く告っちゃえよ」
「それができないからダメなんだよなぁ」
いつの間にかあたしが呼び出されてたことも忘れて、翔太の恋話につきあわされた。
それを先輩が見てたことも知らずに。