先輩とあたし
なんだか、口角が少し上がったような気がする先輩

「お前、俺のこと好きなの?」

図星な先輩の質問にあたしはしばし沈黙

「そっそっそっ、そんなわけあるわけないじゃないですか!!」

かみかみだ。
かみかみすぎて自分にあきれる。

「かみかみだけど」


ごもっともです。
でもここで気づかれたって、あたしの思いが報われるなんてない

「ともかく、あたしに彼氏はいません」

1番言いたいことを言って、少し満足気味のあたしに先輩は

「お前、無防備だよな」

てボソッとつぶやいた

「ん?」

先輩の言葉に戸惑ってると唇に感じたやわらかい感触
突然すぎて今何が起こってんのかわかんない


「ごちそーさま」

そういってあたしの部屋を出て行った先輩


何、何が今起きたの?

軽く「ここはどこ?私は誰?」状態なあたし
突然すぎて意味わかんなくなった思考回路にあたしはへなへなと床に座り込んだ



「アンタの好きな人って、道田だったんだ」


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