先輩とあたし
声の出た方向に顔を向ければ、そこにはお姉ちゃんがいた


「ぜーんぶ見ちゃった、ふーん道田ねぇ、悪くはないと思うけど、今日は合コンだったみたいよ」

さすが情報通
その早さにはいつも驚きです

って感心してる場合じゃなくて、お姉ちゃんに見られたって…

「ちっちっ違うよ、あたしが道田先輩をすっすっ好きなわけあるわけないじゃんか」

「アンタかみすぎでしょ、わかりやすっ。まぁがんばりな、お母さんとお父さんには黙っといてあげる」

「好きなわけじゃないけど、一応ありがとう」

「じゃあ、あたしは風呂入ってきまーす」

そういって颯爽と部屋を出て行ったお姉ちゃん

風のような人だ


って、あたし先輩にキスされちゃったんだ
ファーストキスが好きな人とっていいことなのかもしんないけど、どうせ先輩にとっては遊びのキス
あたしなんかが相手にされるわけなんかないんだ
無駄な期待なんかしちゃだめ


でも今日も合コンに行ってたんだ
軽くショックを受けたあたし


「はぁ………」

一人ため息をつきながらベッドに入った
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