先輩とあたし


「もう、ほんと翔太ってガキ!!」


午後の1番最初の授業は、体育。


バレーボールをする予定だったんだけど、先生が消えちゃったからサボり中。


「まぁ、たしかにガキだけど、そこがかわいいじゃん」

「え…まさか茉莉…翔太のこと好きなの?」

「さぁ、わかんない。まぁ気になるってぐらいかな」


よかったねぇ、翔太
永年の片思いがだんだん実ってるぞ!

「あっ、でもまだ翔太には言わないでね。よくわかんない気持ちだから」

「うん、了解」

こりゃ2人がくっつく日もそう遠くはないかな。
自然と緩んできた顔はそう簡単に戻せるわけもなく、ボールを床に打ち付ける作業を繰り返す。
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