先輩とあたし


体育も終わり、疲れたあたしは次の授業で爆睡してしまった。


なんかあたしの睡眠時間って12時間越えてそぉ
なんてのんきなこと思ってみたりして。


「葵、帰るよ!!」

無理やり茉莉に起こされて、ぼぉーっとしながら道を歩く。

「…茉莉ぃ、人を好きになるってこんな感じなんだねぇ」

「アンタ、何?初恋なわけ?」

ちょっと笑いながら茉莉が言う

「わかんないよ、でも自覚したのははじめてかもしんない」

「でも、まぁ先輩は強敵だからね。しぶとくがんばりなぁ」

「ういー。葵、がんばるぅ」

「そのぶりっ子はやめときなね」

「あーい」


――――

帰宅、先輩の靴がもうあったから帰ってきてるみたい。
なんか、会うのが恥ずかしいなぁ。
あたしはすっかり乙女チックになってしまったみたい。


っとかなんとか思っていたら、リビングのドアが開いて、たった今頭の中に浮かんでた先輩が出てきた。


やばくない、あたしの顔今やばくない?
顔赤くなってない?
ってかなんでこんなに意識し始めちゃったのよぉ


やばい、これじゃあぶりっ子街道まっしぐらだよ!

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