先輩とあたし


「アレ、大丈夫か?」

「ごほっっ!!」


突然、隣から声が聞こえてきたから、うどんがのどにつまってしまった。


「たっ…多分大丈夫だと思います」

「お前、いつもどもるよなぁ」

「そっそんなことないです」

「ほら、また」

やってしまった。ついつい緊張してうまくしゃべれない。

「なんで?」

そんな質問しないでほしい。
答えられるわけない。好きだからだって。
好きなんだよーって顔で訴えてみるけど、多分通じないよね。


「間抜け面」

「ふにゅー」

鼻を指で持ち上げられて、ますますブサイクになりそう。

「ふっ、ばーか」

そういってリビングを後にした先輩。

先輩に触れられた鼻が熱いです。
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