先輩とあたし


朝、起きたら髪の毛がぐしゃぐしゃだった。


「コレは、やばいな。こんな頭じゃ会えないよ」


「誰に?」


鏡ごしに見えた先輩に驚いた。



「せっ先輩。おはようございまっす」


「おはよ。で、誰に会えないの?」


「だっ誰でもありません」


「ふーん」


本当は先輩なんていえないよ。


言ったって迷惑なだけだし。



「それより、今日土曜だし、どっか行こっか。なんか予定ある?」


もしや、もしやこれはデートのお誘い?

「あっあっ、あるありません」


「どっちなんだよ」


「ありませんっ!!」


「じゃあ、映画行こう。ちょうど前売りもらったんだ。準備してきな」


「はい!」


やったー!
ってか服どうしよう。
子供っぽのしかないや。


いろんなこと考えながら、髪の毛をまっすぐしようと苦戦してるあたしを先輩は微笑みながら見てた。
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