先輩とあたし


それにしても、なんでいきなり誘ってくれたんだろう。


もしかして、先輩もあたしのことが…?


なんてバカな考えはやめよ。


なんか妹って見られてる気がする。



恋愛対象に見られることなんて絶対になさそう。



虚しいなぁ。


そんなこと考えながら選んだ服はなんかイマイチで…


またクローゼットを漁る。


ようやく決まったときには、1時間が過ぎていた。



ダダダッと階段を駆け降りたら、先輩が待っていた。


「すいません、待たせてしまって」


「いいよ、女の子は色々準備が必要だよな」


その言葉からは、すごく女慣れしてる感じがあった。


「行くか」


「…はい」


「どうかした?」


「いや、…なんでもありません。」


「そう」


いちいち悲しくなってたらきりがない。

今は先輩といられるだけで、いいんだ。


そう自分に言い聞かせた。
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