先輩とあたし


店員さんが去っていったあと、冷静に今日のことを考えてみた。



先輩に変な寝癖見られて、デートに誘われて、今に至るわけだけど…


なんだか、夢みたいだ。



目の前に先輩がいる。


それだけのことなのに、あたしの胸はいっぱい。



そんなことを思ってると、先輩の携帯がなった。



「もしもし。あー、京香。どうした?」


電話の相手は女の子みたい。


先輩はモテモテだから、女の子から電話がかかってくるなんていつものことなんだろうけど、でも。



やっぱり、モヤモヤする。



時折、笑顔を見せる先輩に、また胸がズキっとなった。


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