理系クラスの日常
「そうだよ、青春!今しかできないことやろーよ!思いっきりたのしもうよ!」
「俺が間違ってた、結衣夏………。高校生だもんな!!青春だよな!!」
「うんうん、分かればいんだよ!!」
「でも軽音部は無理だぞ」
「えーーーー!?なんでだよー!?」
「俺、1年の時に先生に軽音部作れっつったら、無理って言われたし」
勝は淡々とした声でそう言いながら、あたしが投げた金属バットを拾いあげて、振り返った。
「だからよ、違う青春しようぜ!」
「……違う青春!?」
そうして、夕暮れ時のグラウンドに、あたしと啓介のぴったりと重なった声が響き渡った。