『若恋』若の嫉妬【完】
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「女に不自由したことない男だったくせに。可愛い子猫ちゃんを拾って愛でるだけで幸せを感じてる今の若を見てると歯痒くて」

「うるせえ」

「毎日違う女性を抱いてた遊び場のマンションにも行かなくなりましたしね」

「うるせえよ」

「偽物キスシーンがあるだけで拐いに飛び込んで行ったのになんで『おまえが好きだ』の一言がなんで言えないんだか」

「うるせえな。邪魔したのは誰だよ」



しん。

答えはおまえらだよ。

りおを拐ってきて気持ちは高ぶってたのに邪魔したのは仁、おまえだよ。
片棒担いでたのは榊だろうが。


一階のテラスで3人で寛いでいた時に出た会話だ。



あの時。

誰もいなかったらどうなっていただろう?勢いで告白してフラれてたかもしれない。
それは立ち直れない。



「りおさんにマジ惚れだもんな。全部遊びの女を精算して。おい、夜どうしてんだ?」

「余計なお世話だ」

仁がそこまで突っ込んで来なくていい。



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