『若恋』若の嫉妬【完】
小首を傾げると結ってる髪が肩からさらりと流れ落ちる。
整った顔立ちは誰からも目を引く。
クリクリッとした瞳はきれいに澄んでいる。
ホレた贔屓目なんだろうか?
りおが可愛くて心配で仕方がない。
「文化祭はいつだ?」
「再来週の土日なの」
「その劇をやるっていうのはいつだ?」
冷静に、落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせて平静を装う。
「えっと、両方だよ」
「二日間やんのか。」
「うん」
なんてことだ。
一日ならいいがって思った後に、「ん?」その劇の練習があるんだろうってことに気がついた。