懐古の街

「そのコにも、皐月さんが見えたせいで引っ越していった…とかかい?」

「いんや、そん子に、わだすを認知するこどはできんかったべなぁ…ただ…そん子は、いつも、ろくなメシさ、こさえねえで体に悪いもんばっか食ってたげなあ……」


……それで体を壊して入院したとか?


「ほんで、わだすも、ついみてられなぐなっで、そん子の為に晩飯さ、こさえただ。
 だども、わだすの存在を認知でぎねぇそん子は、自分以外だあれも、いないハズなのに、毎晩晩飯さこさえてテーブルに並べてあるのを見て怖がってしまっでなぁ……
  結局わだすがこさえた晩飯をひと口も、食わねぇまんま、ひっごしていってしまったんだなや。」
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