懐古の街
「美猫さ! いつのまに、こん街に戻って来たんだべ! 久すぶりだなや!」
…美猫だあ?!
皐月さんの知り合いの野良猫か?!
俺が、そうこう考えているウチに猫はいつの間にか、女の子の姿に変わっていて、人間と同じ言葉で話し掛けてきた。
「さっちゃーん!久しぶりなんだニャー!都会に引越して一緒に暮らしてた、あちきの飼い主が亡くなったから、10年ぶりにこの街に帰って来たんだニャー!」
なんだ、なんだ?!
この娘も、皐月さんと 同じ妖怪か何かなのか?
「あの方は、かなりお歳を召されてたから仕方ないべな。ほんとに、久しぶりだやなあ!」
「さっちゃーーん!!!」