懐古の街

仲良さそうに、再会を喜び合って抱擁する二人を見ながら俺が話しかけると、美猫という女の子は皐月さんに対する態度とは明らかに違う不機嫌な顔をした。


「再会を喜び合ってるところ悪いけど、君も妖怪なんだよね? なんの妖怪なのか 聞いてもいいかなあ…化け猫か何かかい?」

「誰が、化け猫なんだニャ!コイツ失礼なヤツなんだニャ!あちきは、猫又 っていう妖怪なんだニャ!お前は一体、さっちゃんのなんなんだニャ!馴れ馴れしいんだニャ!」


…・・・な、なんか、敵対心剥き出しだな…。

俺、もしかしなくても、嫌われてるのかな…。


「秋刀魚、ちょうど三匹あるから、君も食べて行くかい?」


俺に、そう言われて、美猫は瞳を輝かせた。

「食べ物で釣ろうとするニャんて侮れないヤツニャ!さっちゃんの手料理を食べるのは久しぶりなんだニャ!仕方ないから今日のところは勘弁してやるんだニャ!」…コイツ…現金なヤツだなぁ…。
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