懐古の街
第四話『火傷とやきもち 』
秋刀魚が焼き上がり、とてもいい香りに今更ながら腹が減っていた事を思い出すように腹の虫が、ぐうぅーっと鳴って胃袋が空腹を訴え初めていた。
蛤も良い具合に焼けて上手そうな磯の香を漂わせて、旨味が濃縮されたエキスがジュワーッと火種に落ちて弾けている。
美猫は待ち切れないと言うように、世話しなく耳と尻尾をパタパタさせながら、くんくんと鼻を鳴らして、大きな瞳をキラキラと輝かせながら皐月さんが秋刀魚を菜箸で 取り上げて、手際よく皿に盛り付けていくのを視線で追っていた。
「秋刀魚も蛤も、えれぇいい具合に焼けただな。久すぶりに料理すたけんど、腕は落ちてなかったんだべな。」
皐月さんは、嬉しそうにそう言いながら、秋刀魚と蛤の入った皿をお盆に乗せて部屋へと入って行く。
俺もそれを手伝いながら、テーブルの上に並べていって、夕餉の準備に取り掛かる。
美猫は尻尾をパタパタさせながら見ているだけでいつまでたっても、手伝うようなそぶりは見せなかった。
蛤も良い具合に焼けて上手そうな磯の香を漂わせて、旨味が濃縮されたエキスがジュワーッと火種に落ちて弾けている。
美猫は待ち切れないと言うように、世話しなく耳と尻尾をパタパタさせながら、くんくんと鼻を鳴らして、大きな瞳をキラキラと輝かせながら皐月さんが秋刀魚を菜箸で 取り上げて、手際よく皿に盛り付けていくのを視線で追っていた。
「秋刀魚も蛤も、えれぇいい具合に焼けただな。久すぶりに料理すたけんど、腕は落ちてなかったんだべな。」
皐月さんは、嬉しそうにそう言いながら、秋刀魚と蛤の入った皿をお盆に乗せて部屋へと入って行く。
俺もそれを手伝いながら、テーブルの上に並べていって、夕餉の準備に取り掛かる。
美猫は尻尾をパタパタさせながら見ているだけでいつまでたっても、手伝うようなそぶりは見せなかった。