懐古の街
よし!
落ち着きを取り戻した今ならもう、幻覚も見えなくなったハズだ!
開けるぞ!
俺はまたふすまを勢いよく、開いて中を見た。
「!?!」
……おかしいな。
まだ、女の子の幻覚が見える……。
「……やっぱり、わだすが邪魔で……布団入れられないんだか?!」
……しかも、田舎弁で話掛けてくる!
俺はもうダメなのか?!
働きすぎて頭がおかしくなったのか?!
俺は、抱えていた布団を落として、その場にガクリと崩れ落ちて座り込んだ。
「わっ?!兄さんどうすたんだか?! どっかわるぐなったんと違うが?!」
幻覚の女の子が押し入れの二階から降りてきて、俺の額に手を宛てて熱を計ってる……。