空を見上げる君

─霧斗side─


何か知らないが放課後屋上に水波に呼ばれた。


悪い話しじゃなかったらいいけど…



『霧斗、どうして性格変えたの?』



水波からキツい目線がくる──


どうしてって。


そういやなんでだろ。



『いつまで夏海の事思ってんだよ』



そう言われて、返す言葉がなかった。


水波の言う事は正しい。


間違ってなんてない。


夏海の事忘れようと頑張ってもできないんだ。



『俺、過去から抜け出せない霧斗なんか嫌いだよ』



水波はそう言い残して屋上からいなくなった。


過去か─…


消せたらいいのに。



『つか、いつまでもたもたしてんだよ俺』



しんきくせ。


今の俺、死んでも価値ねぇな。



『今から俺は俺らしく生きてやる』



今度こそ絶対に。



─霧斗side─ E N D


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