空を見上げる君


「お待たせっ」



うゎゎゎ!


私服だぁ──…


制服しか見たことなかったもんね。



『じゃあ行こ?ん、何か変?』


「うぅん何でもない」



“かっこいい”なんて言えないよ。


私、霧斗が好き。


だけど、振られるのが怖くて、何もできない。


弱い私。



『なあ、テストいつも何点くらいとってんの?』


「50点くらい…」



テストはどう頑張っても点数は上がらなかった。


毎回上がるか下がるか。


受験は大変だったな。


高校行けたのが奇跡みたいだった。



『本当に馬鹿なんだな』



霧斗は小さく笑っていた。


控えめな笑い方って事は気使ってくれたのかな。


でも笑ってる霧斗、すごくすごく好き。



『次のテスト、全教科70点以上とれ!』


「!?」



む、無理!!



『今無理って思っただろ?』

「ばれた…」

『お前は顔に出やすいからな』



顔に出やすいって、もしかしてだいぶ前から知ってるの!?


私でも最近気づいたのになんで。


それより、どうしよう。


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