空を見上げる君

と、決めたものの──



「わかんないよぉ」



この言葉の繰り返し。


霧斗はため息つきながら、私のためにわかりやすく、丁寧に教えてくれる。



一方、水波は真剣な表情でワークに取り組んでいる。


水波、本当は頭賢いんじゃ…



『水波、頭良い方だよ』



私が水波を見てる事に気づいたのか、教えてくれた。


いいな──頭良い人は。



「テスト水波は何点くらいとってるの?」

『ん?70点くらいかな』



はい?


全然赤点の心配ないじゃん。


頭賢い人の頭悪いはハードル高すぎる…


70点で馬鹿って言えるなんて。


私、大馬鹿だ。


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