空を見上げる君


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2日間が経ち全ての教科が終わった。


テスト中は静かでシャーペンの音しかしなかったけど、今は賑やかだ。



『テストお疲れっ』



後ろから肩をトンッと叩かれ振り替えると水波だった。


しかもやけに笑顔──


そりゃテスト終わったもんね!



「水波もお疲れ!」

『点数楽しみだな?』



うわ!!


この平和な会話から聞きたくない一言を言ったのは霧斗だ。


点数が一番怖いのに…



『まあそう言うなって。な?霧斗』



笑いながら霧斗の頬をつねってる水波。


霧斗痛そう──


でも、笑える。



「ふふっ」

『おひ、笑うにゃ!』

「霧斗猫みたーい」



こんな霧斗見たことないよ。


こんな一面もあったんだ。


かわいい☆


水波はやっと霧斗の頬から手を放した。



『痛って』


「大丈夫?」



霧斗の右頬は赤く染まっていた。



「ちょっと待ってて」



私は保健室に氷を貰いにいくため走ってしまった。


今日くらい廊下走ってもいいよね?


階段を降りて保健室に入った。



「あら、そんな慌ててどうしたの?」


「はぁ、はぁ、冷やすやつください」



冷やすやつって。


何言ってんだろ。


名前知らないや。



保健室の先生はミニタオルを凍らしたのを渡してくれた。



「ありがとうございます!」



私はそれを受け取り、自分の教室へと走った。



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