空を見上げる君
私は霧斗の喧嘩を見つめる事しかできなかった。
本当は止めないといけないのに。
体が凍り付いてしまって動かなかった。
喧嘩なんて近くで見た事がない私は怖かった。
でも霧斗は一度も手を出さなかった。
避けて避けて、避けてまくるだけだった。
本当に喧嘩辞めたんだ。
『大丈夫?立てるか?』
霧斗は座り込んでいる私に手を差し伸べた。
それも万遍な笑顔を浮かべて。
「ごめん。ありがとう」
霧斗の手を借りて立ち上がった。
浴衣は砂が付いていて着崩れていた。
私のせいで最悪なお祭りになってしまった。
水波、霧斗、ごめん。
『場所、変えよう』
そう言った霧斗に着いて行った。