空を見上げる君
言えた。
言えたよ?私。
けど返事が怖い。
聞きたくないよ。
この場から逃げたい。
私って酷い女だね…
『ごめん。お前とは付き合えない』
心の中で何かが割れたような気がした。
それは何?
わからないよ。
私、いま、降られたんだ。
「そ、そうだよね。ごめん」
私は溢れ出した涙が零れ落ちる前に霧斗の前から姿を消した。
何処かへ走って行く私。
何処に向かっているのかもわからない。
いまの私じゃ──
《ドンッ》
誰かにぶつかってしまった。
私は顔を上げれずにいた。
「すみません」
『やっと見つけた。
優奈、心配したんだよ?』
顔を上げると水波が心配そうに私を見てくれていた。
なぜだか霧斗より水波がカッコよく優しく見えた。
それはなんで?
あの瞬間から霧斗がどうでもよくなった。
降られたショックが大き過ぎたのかな。
『優奈?』
「水波ー!!」
私は水波の胸に飛び込んだ。
辛いよ。
すごく、スゴく、凄く。
なのに私は泣くことしかできない。
ただひたすら泣きじゃくるだけ。