空を見上げる君


「夏海さん…」



どうしてこんな事が言えるの?


霧斗とお幸せにっ、なんて私なら言えないよ。


夏海さんは霧斗の事ちゃんと見てたんだ。


ずっとずっと影で優しくいつも見守ってたんだ。


きっと今も──



『見せて?』


「あっ、うん」



見せていいのかな?


いや、夏海さんは見てほしいよね?


私なら絶対見ないで!!


って言いそうだけど、心の底では必ず、見てほしいって気持ちあると思う。



『夏海…ばかだろ?』



ふっと笑いだした霧斗。


けど、目からは一筋の涙がこぼれた霧斗。



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