空を見上げる君
「はいっ、これで大丈夫!」
絆創膏を頬に貼ってくれた。
『ありがと』
「どうも!」
夏海はいつもこんな感じ──
スゲー優しい。
俺はそういう夏海に惚れてしまった。
『絆創膏、いつも持ってんのか?』
「うん!
だって霧斗、毎日のように喧嘩してるんだもん」
それは言えてるな。
喧嘩ばっかりしてるからな。
売られた喧嘩は買う主義だから。
『そうか』
「でも、私喧嘩する人嫌いだよ?」
『なんだそれ?
それでよく俺と付き合ってるよな』
夏海は喧嘩が大嫌い。
なぜかは知らないけど。