空を見上げる君
それでも幸せと言ってくれた夏海が理解できなかった。
デートもした事なかった。
帰り道ではいつものように喧嘩ばっかで、夏海に迷惑かけてばかりいた。
夏海が好きだったのに、愛してたのに。
ずっと夏海しか見てなかったのに…─
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『それを切りに喧嘩を辞めて、口調も変え、性格も何もかも変えたんだ』
そんな事があったんだ…
霧斗の目には涙が溜まっていた。
「場所変えよう」
私は強引に霧斗の手を掴み、川原へと行った。
道端だと、人に迷惑がかかりそうだったから…
霧斗、ごめんね?
「泣いていいよ…私が受け止めてあげるから」
すると、座り込んで、大声を上げ、泣いた。
辛かったよね。
苦しかったよね。
私は霧斗を横から抱きしめた。
夏海さんも霧斗にこんな事してあげたのかな…
今霧斗のそばにいなくちゃならないのは、私じゃなくて夏海さん。