空を見上げる君
─霧斗Side─
震えながら泣いている優奈を抱きしめた。
あいつがなぜ泣いているか分からない。
泣く事じゃないだろう?
でも、やっぱり優しいよ、優奈。
優奈を家まで送り、家まで帰った。
相変わらず1人暮らしは寂しい。
話す相手がいない。
ひんやり冷たい部屋に俺1人だけ。
ベッドに仰向けに寝転んで目を閉じた。
俺はまだ夏海が好きなのか?
毎日毎日空を見て、思い出してしまう。
そしてまたよみがえってくる。
どうして夏海を守れなかったのか──
俺が喧嘩に負けたから?
俺が弱かったんだ。